カーボンフットプリントの羅針盤

製品とサービスに隠された「見えない」環境負荷を可視化する

カーボンフットプリント(CFP)とは?

製品やサービスが、原材料の調達から廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体で排出する温室効果ガスの総量です。CO2量に換算して表示され、気候変動への影響を測る「ものさし」となります。

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ケーススタディ:物理的な製品 vs デジタルサービス

【製品】ペットボトル(500mL)のライフサイクル

石油という物理的な資源に依存するため、製造段階での排出が圧倒的に大きくなります。リサイクルによる排出削減効果が鍵を握ります。

ペットボトル1本の最終的なCFP

76 g-CO₂(76gのCO2排出量)

製造時の排出(97g)は大きいものの、リサイクルによる削減効果(-30g)などを経てこの数値になります。

ペットボトルの「ゆりかごから墓場まで」

原材料調達
(石油)
製造・成形
輸送
消費
廃棄・リサイクル

このすべての段階で発生するCO2の合計値がカーボンフットプリント(CFP)の値になります。

【サービス】クラウド移行のインパクト

データセンターの電力消費が排出源。自社運用から大規模クラウドへ移行することで、エネルギー効率が劇的に向上します。

77% 削減

オンプレミスからクラウドへの移行によるCO2排出量の削減率。

排出量77%削減の内訳

削減効果は主に、サーバーの稼働率向上と、施設全体のエネルギー効率改善によってもたらされます。

AI技術の急速な効率化

デジタルサービスのCFPは、ハードウェアやアルゴリズムの技術革新によって指数関数的に改善される可能性があります。GoogleのAIは、直近12ヶ月でエネルギー消費とCFPを劇的に削減しました。

製品とサービスのCFP:構造的な違い

項目 ペットボトル(物理的製品) クラウドサービス(非物質的サービス)
主な排出源 原材料調達・製造工程 利用時の電力消費
排出の特性 一度発生すると固定される 利用に応じて動的に変動
削減の主体 メーカー、消費者、政策など多岐 サービスプロバイダー(インフラ効率化)
改善ペース 比較的緩やか(物理的制約) 急速(技術革新による指数関数的改善)